数学III置換積分の練習問題と解き方
置換積分は、式の一部を新しい文字 t におきかえて、積分しやすい形にする方法です。「何を t とおくか」を見抜く練習をしましょう。
基礎・標準:高校3年・2学期/発展:高校3年・受験期
数学の問題ジェネレーター
置換積分のやり方
手順は次のとおりです。
- 式の一部(かっこの中、根号の中、指数の肩など)を t とおく。
- 微分して、dx を dt で表す(dxdt=g′(x) から dt=g′(x)dx)。
- 被積分関数をすべて t で表して積分する。
- 最後に t をもとの x の式に戻す。
1次式の置換
(2x+1)5 のように中身が 1 次式なら、t=2x+1 とおくと dt=2dx です。
∫(2x+1)5dx=21∫t5dt=121t6+C=121(2x+1)6+C
一般に ∫f(ax+b)dx=a1F(ax+b)+C が成り立つので、慣れたら置換せずに計算してかまいません。
f(g(x))g'(x) 型と f'(x)/f(x) 型
被積分関数の中に「ある関数 g(x)」と「その導関数 g′(x)」が両方あれば、t=g(x) とおくのが定石です。
∫x(x2+1)3dx=21∫t3dt=81(x2+1)4+C(t=x2+1, dt=2xdx)
∫sin2xcosxdx=∫t2dt=31sin3x+C(t=sinx, dt=cosxdx)
特に、分子が分母の導関数になっている形は、次の公式で一気に積分できます。
例:∫tanxdx=∫cosxsinxdx=−∫cosx(cosx)′dx=−log∣cosx∣+C
三角関数への置換
a2−x2 や x2+a21 を含む定積分では、次の置換を使います。
| 式の形 | 置換 | 使う関係式 |
| a2−x2 | x=asinθ | 1−sin2θ=cos2θ |
| x2+a21 | x=atanθ | 1+tan2θ=cos2θ1 |
定積分で置換するときは、積分区間も新しい変数の範囲に変えるのを忘れないようにしましょう。たとえば x=asinθ で x:0→a なら θ:0→2π です。その代わり、最後に x に戻す必要はありません。
よくある間違い
- dx の置き換え忘れ:t=2x+1 とおいたのに dx をそのまま dt にすると、21 倍がもれます。
- x に戻し忘れ:不定積分の答えは、最後に必ず x の式に戻します。
- 定積分の区間:置換したら積分区間も変えます。
- log の絶対値:∫xdx=log∣x∣+C です。中身が正とわかる場合(x2+1 など)は絶対値を省略できます。
例題(解き方つき)
次の不定積分を求めよ。
∫4x−11dx
ヒント
根号の中身を t とおきます。t=t21 として積分します。
答え
∫4x−11dx=214x−1+C (C は積分定数)
解き方
t=4x−1 とおくと dx=41dt。t=t21, 3t=t31 として積分すると
∫4x−11dx=41∫t1dt=41⋅2t+C=21t+C=214x−1+C
次の不定積分を求めよ。
∫x(x2+2)2dx
ヒント
かっこの中身を t とおくと、dt=2xdx となり、前にある x がちょうど使えます。
答え
∫x(x2+2)2dx=61(x2+2)3+C (C は積分定数)
解き方
t=x2+2 とおくと、dt=2xdx より xdx=21dt。
∫x(x2+2)2dx=21∫t2dt=61t3+C=61(x2+2)3+C
次の不定積分を求めよ。
∫ex+2e2xdx
ヒント
t=ex とおくと、e2xdx=tdt になります。
答え
∫ex+2e2xdx=ex−2log(ex+2)+C (C は積分定数)
解き方
t=ex とおくと dt=exdx より e2xdx=ex⋅exdx=tdt。
∫ex+2e2xdx=∫t+2tdt=∫(1−t+22)dt=t−2log(t+2)+C=ex−2log(ex+2)+C
練習問題
次の不定積分を求めよ。
∫2x+31dx
ヒント
根号の中身を t とおきます。t=t21 として積分します。
答え
∫2x+31dx=2x+3+C (C は積分定数)
解き方
t=2x+3 とおくと dx=21dt。t=t21, 3t=t31 として積分すると
∫2x+31dx=21∫t1dt=21⋅2t+C=t+C=2x+3+C
次の不定積分を求めよ。
∫cos5xsinxdx
ヒント
t=cosx とおくと、残りの sinxdx が dt になります。
答え
∫cos5xsinxdx=−61cos6x+C (C は積分定数)
解き方
t=cosx とおくと dt=−sinxdx より sinxdx=−dt。
∫cos5xsinxdx=−∫t5dt=−61t6+C=−61cos6x+C
次の不定積分を求めよ。
∫ex+21dx
ヒント
t=ex とおくと dx=tdt となり、分数関数の積分(部分分数分解)に帰着します。
答え
∫ex+21dx=21(x−log(ex+2))+C (C は積分定数)
解き方
t=ex とおくと dt=exdx=tdx より dx=tdt。
∫ex+21dx=∫t(t+2)1dt=21∫(t1−t+21)dt=21(logt−log(t+2))+C=21(x−log(ex+2))+C
t=ex>0 なので、log の中の絶対値は不要です。