連立一次方程式(掃き出し法)の練習問題
連立一次方程式は、拡大係数行列に行基本変形を行う「掃き出し法」で機械的に解けます。階数を使うと、解があるかどうかも判定できます。
基礎・標準・発展:大学1年・前期
数学の問題ジェネレーター
掃き出し法
行基本変形は次の 3 つです。どれも連立方程式の解を変えません。
- 2 つの行を入れかえる
- 1 つの行を 0 でない数倍する
- ある行に別の行の定数倍を加える
拡大係数行列 を、主成分が 1 で、その列の他の成分が 0 の形(簡約な階段行列)にすると、解がそのまま読みとれます。
階数と解の判定
階段行列にしたときの 0 でない行の数を階数(ランク)といいます。未知数が 個のとき
- … ただ 1 組の解
- … 無数の解(自由度 )
- … 解なし
同次連立方程式 は常に を解にもち、 が正方行列なら のときに限り自明でない解をもちます。
解のパラメータ表示と解空間
解が無数にあるときは、主成分のない列の変数を任意の実数 などとおき、他の変数を で表します。たとえば簡約形が , なら、 として
の解全体(解空間)の次元は、 です。
例題(解き方つき)
次の連立方程式を解け。
ヒント
拡大係数行列をつくり、行基本変形で左側を単位行列にします(掃き出し法)。
答え
解き方
拡大係数行列は
行基本変形で掃き出すと
よって
次の連立方程式は無数の解をもつ。( は任意の実数)とおいて、, を の式で表せ。
- (1)
- (2)
ヒント
掃き出し法で簡約な階段行列にし、 として , を求めます。
答え
- (1)
- (2)
解き方
拡大係数行列を簡約な階段行列にすると
これは次の式を表す。
とおくと
次の連立方程式が無数の解をもつような定数 , の値を求めよ。
ヒント
第 3 式の左辺が第 1 式・第 2 式の左辺の組み合わせ( 倍と 倍の和)になり、右辺も同じ組み合わせになる条件を考えます。
答え
解き方
, の係数を比べると、第 3 式の左辺の , の部分は(第 1 式) + (第 2 式) と一致する。
解が無数にあるためには、第 3 式全体がこの組み合わせと一致すればよいので
( がこの値と異なれば係数行列の階数は 3 で解はただ 1 組、 だけ一致して が異なれば解はない。)
練習問題
次の行列を、行基本変形によって簡約な階段行列(行既約階段形)に変形せよ。
ヒント
第 1 列から順に、主成分を 1 にして、その列の他の成分を 0 にしていきます。
答え
解き方
第 1 列・第 2 列・第 3 列の順に掃き出すと
(これは連立方程式の解 を表している)
連立方程式 が 以外の解をもつような定数 の値を求めよ。
ヒント
同次連立方程式が自明でない解をもつ 係数行列の行列式が です。
答え
解き方
係数行列の行列式が 0 になる条件を求めると
これを解いて
次の連立方程式が無数の解をもつような定数 , の値を求めよ。
ヒント
第 3 式の左辺が第 1 式・第 2 式の左辺の組み合わせ( 倍と 倍の和)になり、右辺も同じ組み合わせになる条件を考えます。
答え
解き方
, の係数を比べると、第 3 式の左辺の , の部分は(第 1 式) + (第 2 式) と一致する。
解が無数にあるためには、第 3 式全体がこの組み合わせと一致すればよいので
( がこの値と異なれば係数行列の階数は 3 で解はただ 1 組、 だけ一致して が異なれば解はない。)