微分積分(大学)逆三角関数を含む積分の練習問題と解き方
大学の微分積分では、逆三角関数 arctanx, arcsinx を使うと、高校では定積分でしか扱えなかった関数の不定積分も求められます。
基礎・標準・発展:大学1年・前期
数学の問題ジェネレーター
逆三角関数とその微分
y=arcsinx は x=siny (−2π≤y≤2π)、y=arctanx は x=tany (−2π<y<2π) を満たす関数です(sin−1x, tan−1x とも書きます)。導関数は次のとおりです。
(arcsinx)′=1−x21,(arctanx)′=1+x21 平方完成して公式に持ち込む
x2+2x+51 のように分母が因数分解できない 2 次式なら、平方完成して (x+1)2+22 とし、arctan の公式を使います。
∫x2+2x+5dx=∫(x+1)2+22dx=21arctan2x+1+C
分子に x があるときは、「分母の導関数の定数倍」と「定数」に分けると、log と arctan の和になります。
逆三角関数そのものの積分
arctanx や arcsinx 自体は、1⋅arctanx と考えて部分積分します。
∫arctanxdx=xarctanx−∫1+x2xdx=xarctanx−21log(1+x2)+C
例題(解き方つき)
次の不定積分を求めよ。
∫x2+161dx
ヒント
x2+a21 の原始関数は a1arctanax です(x=atanθ と置換すると導けます)。
答え
∫x2+161dx=41arctan4x+C (C は積分定数)
解き方
公式 ∫x2+a2dx=a1arctanax+C(a>0)を用いる。
∫x2+161dx=41arctan4x+C
次の不定積分を求めよ。
∫x2−6x+101dx
ヒント
分母を平方完成して (x+p)2+a2 の形にします。
答え
∫x2−6x+101dx=arctan(x−3)+C (C は積分定数)
解き方
分母を平方完成すると x2−6x+10=(x−3)2+1。t=x−3 とみて公式 ∫x2+a2dx=a1arctanax+C(a>0)を用いると
∫x2−6x+101dx=∫(x−3)2+11dx=arctan(x−3)+C
次の不定積分を求めよ。
∫x2−1dx
ヒント
部分積分すると、もとの積分 I が再び現れます(同形出現)。
答え
∫x2−1dx=21(xx2−1−log∣x+x2−1∣)+C (C は積分定数)
解き方
I=∫x2−1dx とおき、(x)′=1 として部分積分する。x2=(x2−1)+1 を使うと
I=∫x2−1dx=xx2−1−∫x2−1x2dx=xx2−1−∫(x2−1+x2−11)dx=xx2−1−∫x2−1dx−∫x2−11dx 最後の積分は 公式 ∫x2+Adx=logx+x2+A+C より
2I=xx2−1−log∣x+x2−1∣+C1 よって(C は積分定数)
I=21(xx2−1−log∣x+x2−1∣)+C
練習問題
次の不定積分を求めよ。
∫x2+42dx
ヒント
x2+a21 の原始関数は a1arctanax です(x=atanθ と置換すると導けます)。
答え
∫x2+42dx=arctan2x+C (C は積分定数)
解き方
公式 ∫x2+a2dx=a1arctanax+C(a>0)を用いる。
∫x2+42dx=arctan2x+C
次の不定積分を求めよ。
∫−x2+4x1dx
ヒント
根号の中を平方完成して a2−(x−p)2 の形にします。
答え
∫−x2+4x1dx=arcsin2x−2+C (C は積分定数)
解き方
根号の中を平方完成すると −x2+4x=4−(x−2)2。公式 ∫a2−x2dx=arcsinax+C(a>0)を用いると
∫−x2+4x1dx=∫4−(x−2)21dx=arcsin2x−2+C
次の不定積分を求めよ。
∫(x2+1)(x2+4)1dx
ヒント
x2 を 1 つの文字とみて部分分数に分解します。
答え
∫(x2+1)(x2+4)1dx=31(arctanx−21arctan2x)+C (C は積分定数)
解き方
x2 をひとまとまりとみて部分分数に分解すると
(x2+1)(x2+4)1=31(x2+11−x2+41) 公式 ∫x2+a2dx=a1arctanax+C(a>0)を用いて
∫(x2+1)(x2+4)1dx=∫31(x2+11−x2+41)dx=31(arctanx−21arctan2x)+C